2017年 03月 07日
心地よい省エネ住宅・生活しづらい省エネ住宅
省エネルギー計算をすると、エアコン(暖房・冷房)を高性能なものにするよりも、
壁・床・天井の断熱性能を上げる方が、効果があります。
通称:省エネ法という法律があります。
大規模な建築物は、省エネルギー計算を行い提出する法律なのですが、
近々全ての建築物、住宅にも適用されることになります。
この省エネルギー計算、壁・床・屋根の断熱性能、冷房・暖房機能、サッシの断熱性、
建物の形状・方位による日射の違い、そのすべてを計算し、エネルギー効率を計算する方法です。
(画像はその計算表)
住宅用の計算指標が整ってきたおかげで、数字という目に見える形でエコ住宅の設計が可能になりました。
省エネ計算の良いところは、部分でなく家全体で、計算できるところ。そこで見えて来るのが、
最初のエアコンの性能を上げるより、断熱性能を上げる方が効率的という現実。
断熱性という話でいうと、普通に断熱した壁の方が、ペアガラスのサッシよりも断熱性が高くなります。
そこで住宅メーカーなどでは、小さな窓だけにして家全体の断熱性能を高めています。
特に長期優良住宅の基準をそこでクリアする事が多い。
ところがこの場合、日射取得量(光を取り入れる量)が減り、冬場に暖かい日の光が入って来ないため、
気持ちよい日辺りを放棄し、生活しづらい心地の悪い住まいになります。
そこで、大きな窓がある事で居心地が良くなる場所は、大きさを優先し、壁の断熱性能を上げるなど、
その他の部分省エネ性は確保する。
全体を俯瞰してみてのバランスが必要になります。
by oatelier
| 2017-03-07 10:23
| おぎのたかみつ・アトリエ